農業共済制度
農業共済制度の概要
現在の農業共済制度は戦前の家畜保険(昭和4年制定)と農業保険(昭和13年制定)とを統合して、昭和22年制定の農業災害補償法の下に、農地改革によって創出された自作農民の経営を支えるための主要な災害対策として、再スタートした制度です。
農業共済制度は、農家が掛金を出し合って共同準備財産をつくり、災害が発生したときに共済金の支払いを受けて農業経営を守るという、農家の相互扶助を基本とした「共済保険」の制度です。
特に、農業はほかの産業と違い自然条件に依存することが大きいこと、農業災害は予期しないときに、場合によってはきわめて広範囲に発生するという特性があることなどから、国も一緒になって運営しています。
農業共済制度のもとで農業共済団体は、損害補償の事前手段として各種の損害防止支援活動を活発におこない、また、被害の未然防止に努めるなど、地域農業を支えています。
農業共済事業の主な特色
農業は自然条件に依存し、不可抗力的な災害による大きな損害を受けやすいことから、国の災害対策の一環として政策的な視点からつくられた制度ですので、基本的には、全国どこの農村でももれなく実施されています。
- 補償対象の事故は原則としてすべての自然災害等不可抗力的災害となっています。
農作物にとって最も被害を受けやすいのは、風水害、干害、冷害など気象災害によるものです。農業共済制度では、地震を含めてすべての自然災害が対象になっています。
このほか病虫害、鳥獣害や火災も補償対象となっており、基本的にはオールリスク制の保険です。家畜については死亡・廃用の他、病気・けが等の治療費も対象としています。 - 国は共済掛金や事務費を国庫負担するとともに、保険を実施するなどのバックアップをしています。
国は、農家が負担すべき共済掛金の一部とNOSAI団体が事業を運営するための主な経費について、財政負担をしています(建物共済など任意共済以外)。 また、大きな被害が生じた際、全国的な危険分散を図るため、再保険も担っています。 - 損害防止支援活動を積極的に展開しています。
NOSAI団体では、農業災害に対する損失の補てんという本来の業務のほか、損害防止支援活動を積極的に展開し、地域農業の振興に寄与しています。